胃内視鏡検査(胃カメラ)について

口または鼻から内視鏡を入れて咽頭(のど)・食道・胃・十二指腸まで観察します。

治療技術の進歩により、現在では早期であれば胃がんだけでなく、食道がんや咽頭がんも内視鏡で治すこともできるようになっています。しかし、早い段階では粘膜表面の軽い変化がみられるだけで、ほとんど症状もなく、バリウム検査でもなかなか発見できないことも多いため、がんを早期に発見するにはこの胃カメラがとても大切な検査になります。


健診で胃炎やポリープなどの異常を指摘されたり、下記のような症状がある場合は、一度胃カメラで確認してみるのが安心ですので、是非一度ご相談にいらしてください。


● のどから食道にかけてのつかえ感・違和感がある

● 胸や背中に焼ける感じや痛みがある

● 上腹部の重苦しさや違和感がある

● ピロリ菌に感染しているかどうか心配

● お酒で赤くなりやすい・長期間の喫煙などで食道がんが心配


『からだにやさしい』~鼻から行う内視鏡検査~

ところで、鼻から入れる胃カメラがあるのをご存じでしたでしょうか。

これまで、胃の内視鏡は口から挿入するものが一般的でした。
しかし、最近では外径が約5mmの細い内視鏡が登場し、 “経鼻内視鏡検査”という鼻から挿入する方法で検査が行われることも増えてきています。
     

当院でも最新の鼻からの経鼻内視鏡を取り入れていて、多くの皆様にご利用いただいております。

経鼻内視鏡検査は、細くて柔らかく、内視鏡が舌のつけ根を通らず、のどにも触れないので、経口の内視鏡検査に比べ、検査時の吐き気・不快感が大幅に軽減されます(下図)。

経口の内視鏡検査に対しては抵抗感・恐怖感をお持ちの方もまだまだ多いかと思います。

新しい経鼻内視鏡ではハイビジョンに迫る高精度な画像が得られ、十分な診断ができるようになっています。


がんは早期に発見し治療ができれば、それだけ治る可能性も高くなります。

より負担の少ない経鼻内視鏡検査で、内視鏡検査がさらに身近なものになればと願っています。


からだにやさしい内視鏡検査を

   ~経鼻内視鏡検査~

今まで、「口からの胃カメラは苦しい」というイメージがあまりにも強く、内視鏡による胃がん検診の普及を妨げる最大の要因になっていました。

しかし、上記のように、苦痛の少ない経鼻内視鏡の登場で、経口内視鏡検査が持つ「つらい、苦しい」といったイメージが徐々に塗り替えられてきています

経鼻内視鏡は口から挿入する経口内視鏡に比べ、「オエっ」とした吐き気がほとんどない、検査中も会話が可能でコミュニケーションがとれる、使用する局所麻酔薬の量が少ないので安全、といった経鼻挿入の特徴から、最近は経鼻内視鏡検査を希望される患者さんが急増しています

胃カメラが苦手だからといって、鎮静剤などの静脈麻酔(全身麻酔)を行う必要もありません。また、鼻の痛みについても、最近では麻酔法も新しくなり柔らかいチューブを使用したスプレーと液体による少量の局所麻酔のみで、痛みを感じることもなくなり、鼻からできないというケースもほぼなくなっています

当院では最新の経鼻内視鏡や局所麻酔法の他にも二酸化炭素を使った送気法など、より快適に検査が受けられるよう最新の機器や技術を積極的に取り入れ、苦痛なく検査を受けていただけています。

実際、鎮静剤を使わなくても出来る「鼻からの内視鏡」はその分、体にやさしく、患者さんも苦しがることはありませんので、私たち検査医もじっくりと胃の中を観察できるメリットもあります。また検査後のお車の運転も可能で、検査後はすぐにお仕事や日常の生活に戻れるなど多くの利点もあります。

※安定剤の併用(ご希望に応じて)

もちろん、それでも不安や緊張が強い、のどの違和感がとれないという方には、適切な量の安定剤を使用しての検査も行っています。診察時にお伺いしますのでお気軽にご相談ください。


安定剤の併用(ご希望に応じて)

 検査時の苦痛・不安軽減のため、居眠りをしているような状態で検査を行い、苦痛を感じないようにする方法で、静脈に安定剤を適量注射します。

当院では、ご希望される方にこの方法を用いた内視鏡検査を行っています。ただし、重篤な疾患がある場合や、ご高齢の方にはできない場合もあります。

検査終了後はリカバリー室に移動し30分程度ゆっくりお休みいただきます。

なお、安定剤を使用した際には検査後、当日の自動車や自転車の運転はお控え頂き、来院には公共交通機関等のご利用をお願いしています。



胃カメラでわかる病気

逆流性食道炎、バレット食道、好酸球性食道炎、食道がん、急性胃炎、慢性胃炎、胃潰瘍、胃ポリープ、胃がん、胃粘膜下腫瘍、悪性リンパ腫、ヘリコバクター・ピロリ感染、胃アニサキス症、十二指腸炎、十二指腸潰瘍、十二指腸ポリープ、十二指腸乳頭部腫瘍など 


胃カメラの流れ

1. 検査前

午前の検査の場合、前日の夕食は、消化の良いものを夜9時頃までにとります。

水やお茶などの透明な飲料水は、検査1~2時間前まで摂取して頂いて構いません。

検査の際、お薬の休薬は基本的に不要ですが、血糖を下げるお薬を飲んでいる方は、電話にてご連絡いただき事前の指示に従って必要があるものだけのんでいただきます。

2. 当日

午前の検査の方は朝食をとらずにご来院ください。

午後の検査をご希望の場合は軽めの朝食で、昼食はとらずにお越しください
(検査時に食後6時間以上経過していることが望ましいです)。

3. 検査

検査用ベッドに横になっていただき、検査を開始します。

精度の高い診断を行うために、色素を散布したり組織採取を行う場合があります。
検査時間の所要時間は5~10分程度です。

検査終了後、全身の状態を確認してから、検査内容をご説明しています。

※安定剤を使用した場合には、検査終了後、リカバリー室に移動し、30~60分程度ゆっくり安んでいただき、安定剤の効果がなくなったら、全身の状態を確認して、検査内容をご説明しています。     

検査費用(胃カメラ) 初診・再診料は含まれておりません(※1)


1割負担

2割負担

3割負担

内視鏡検査のみ

1,200円前後

2,300円前後

3,500円前後

  + ピロリ菌検査(※2)

+ 500円前後

+ 1,000円前後

+ 1,500円前後

  + 病理組織検査(※3)

+ 1,300円前後

+ 2,600円前後

+ 4,000円前後

※1:初診の場合は、別途850円(3割負担の場合)、再診の場合は別途220円(3割負担の場合)が必要となります。

※2:ピロリ菌検査には主に「尿素呼気試験」または「迅速ウレアーゼテスト」を利用しています(どちらも当日に結果を説明)。

※3:病理組織検査は胃や食道の組織を一部採取して、炎症の程度やがん細胞が含まれていないかどうかなどを顕微鏡で詳細に調べます。必要と判断したときのみ行います。採取した臓器数(食道・胃・十二指腸)で料金が前後します。  

※4:服用中の薬や治療中の病気、当日の健康状態などにより、このほかに事前の採血が必要になることもあります。   


 安全・快適・清潔な環境で良質な医療をご提供致します

内視鏡機器・設備を選ぶにあたっては、患者様の安全と苦痛の軽減を第一に考えました。口からの経口内視鏡は細くて操作性が良いものを、鼻から入れる経鼻内視鏡は最新のものを取り入れましたので、画質も十分きれいで診断能力を落とすことなく、咽頭反射の少ない鼻からの内視鏡を行えます。また、ご希望があれば経鼻内視鏡を使用して口からの検査も可能です。

検査後の内視鏡の洗浄は「消化器内視鏡の洗浄・消毒ガイドライン」に基づき、専用の洗浄室を設け検査ごとに確実な消毒を行っておりますので、安心して検査を受けていただけます


 検査に使われる最新機器

●オリンパス社製 最新内視鏡システム(CV-290, CLV-290) 

当院ではオリンパス製のEVIS LUCERA ELITE(イーヴィス ルセラ エリート)を導入しております。観察性能、操作性・挿入性向上を目指した国内向け内視鏡ビデオスコープシステムの最上位機種で、これまで経鼻内視鏡検査は、経口内視鏡検査に比べて画質の面で劣るとされてきましたが、この最新機種では、経鼻内視鏡スコープもハイビジョンに迫る高精度な画像が抽出可能になっています


オリンパス社製 最新内視鏡スコープ

 ● 経鼻内視鏡(GIF-XP290N・5.8㎜)

 ● 細径経口内視鏡 (GIF-PQ260・7.9㎜, GIF-Q260・径9.2㎜) 

 

●オリンパス社製 NBIシステム

診断能力の向上を目的にNBINarrow Band Imaging)システムを導入しています。NBIシステムは、早期の咽頭がんや食道がんなど通常の観察では発見が困難な病変を見つけることが可能であり、病変の広がりを診断する際にも優れた効果を発揮します。

※食道がんの多くは『お酒を飲むと顔が赤くなる胸がドキドキする二日酔いになりやすい体質の方や『たばこを吸う方』に発症するため、リスクの高い患者さんではNBIにて注意深く観察することが大切です。

●オリンパス社製 二酸化炭素送気装置(UCR 

内視鏡検査では胃や腸を膨らませて隅々まで観察しますが、送気(胃や腸を膨らます気体)に二酸化炭素が利用できる機器です。多くの総合病院や専門施設で導入されていて、使用による安全性も確認されています。二酸化炭素(炭酸ガス)は腸管から速やかに吸収され呼気中(吐く息の中)に自然に排出されるため、検査中のお腹の張りや痛みが大幅に抑えられ、検査後もつらいおなかの張りがほとんど残りません。また大腸検査などでは検査中の空気量が最小限に抑えられるため、より苦痛無く短時間での内視鏡検査が可能になっています。腹満や腹痛は、ひどい場合には血圧の低下や徐脈(脈が遅くなる)を起こすことがありますので、この点においても体への負担が少なく安全に検査が行えるため、当院でも積極的に導入しています。        

●ピロリ菌感染診断用呼気ガス分析装置 POCone(大塚製薬)

ピロリ菌の感染診断、除菌判定に使用します。尿素呼気試験』はピロリ菌診断検査の中でも信頼性が高く、負担のない検査です。

ピロリ菌の除菌は、通常は1週間、除菌の薬を飲んだ後に6週間前後の期間を空けて除菌されたかどうかをこの検査で判定します。当院では結果を当日すぐにお伝えできるよう院内に検査機器を設置しています。

薬を1錠飲んで息を袋にためるだけの検査で、検査後10分程度で結果をお知らせできます。

●オリンパス社製 洗浄用送水装置(OFP2) 

消化管粘膜洗浄用の送水装置です。粘液などが付着し観察が十分に出来ない場合に効率よく洗って、観察に適した状態にすることができます。当院では必要に応じてこの機器を使用し、より見やすい状態にして観察しています。

●NIHON KOHDEN社製 生体モニター(VISMO PVM-2701)

簡単な器具の装着で血圧や脈拍、心電図、血中の酸素濃度を観察できます。患者様の体調変化を把握し、安全に検査や治療を進めるため、必要に応じてこの生体モニターを使用します。安定剤や鎮静剤を用いたり内視鏡治療を行う際には、より安全にリラックスして検査・治療を受けていただけます。

各検査ごとにガイドラインに基づいた高水準な内視鏡洗浄・消毒を行っています

●内視鏡洗浄・消毒室 

「消化器内視鏡の洗浄・消毒ガイドライン」に基づき、専用の洗浄室を設け、検査室とは別室で十分な換気ができる環境で内視鏡の洗浄・消毒を行なっています。

専用の洗浄シンク、最新の内視鏡洗浄システムを使用し、検査ごとに適切な洗浄および高水準消毒を行い、内視鏡検査による患者間の交差感染を防止しています。

※内視鏡自動洗浄・消毒装置を用いることで、消毒薬への接触機会を可能な限り減らし、窓の開放や洗浄機排気口付近の低い位置(消毒薬の蒸気は空気より重いため)に強力な換気装置を設置するなど、消毒薬の暴露防止対策も行いスタッフの健康・安全面にも配慮しています。

    

●オリンパス社製 内視鏡洗浄システム(OER-4) 

内視鏡器具の洗浄・消毒は、日本消化器内視鏡学会の「洗浄・消毒ガイドライン」に沿った取り扱いを行なっており、当院ではオリンパス社の最新内視鏡洗浄システム(OER-4)を導入しています。短時間で内視鏡の自動洗浄・高水準な消毒が可能です。

検査ごとに確実な消毒を行っていますので、安心して検査を受けていただけます

※患者様にどの内視鏡を使用し、どのような洗浄・消毒を行なったかなどの履歴を管理し、一層の安全に配慮しています。

●オリンパス社製 超音波洗浄機(ENDOSONIC) 

内視鏡検査関連器具を洗浄する機器で、繊細な部分の洗浄をより確実なものにしています。

●TAKAZONO社製 高圧蒸気滅菌機(SteriWit) 

内視鏡検査時に使用する処置具や、内視鏡の洗浄に使用する器具などを滅菌・消毒する機器であり、適切な水準に応じた滅菌・消毒を行なっています。  

【休診日】土曜日・祝日・水曜日午後・日曜日午後

※日曜日は午後2時まで診療。                    ※混雑状況により、診療時間内でも受付を終了する場合があります。             当院は発熱等の症状がある方の診療を行い、必要な検査を行う「診療・検査医療機関」として宮城県から指定を受けております。       ※当院は医療情報・システム基盤整備体制充実加算の算定医療機関です。  


医院名
いずみ野村ファミリークリニック
院長
櫻井 直(サクライ タダシ)
住所
〒981-3124
宮城県仙台市泉区野村字桂島東1-5
診療科目
胃腸内科外科
・内科・
内視鏡内科糖尿病内科小児科(3歳~)
各種検診人間ドック
(日曜診療)
電話番号
022-342-1537